2026-11-01

皇位継承順位と皇族の一覧(2026年版)

【2026年版】皇位継承順位と皇族の一覧 ―― 改正皇室典範の施行後も、継承資格があるのは3方

2026年10月24日、7月に成立した改正皇室典範が施行されました。皇族の数を確保するために、内親王・女王が結婚した後も皇族の身分を保つ仕組みと、旧宮家の男系男子を皇族の養子として迎える仕組みが、この日から使えるようになっています。ただし、皇位を継ぐ資格を定めた第1条と、継ぐ順序を定めた第2条は、今回の改正で一文字も変わっていません。施行の後、皇位継承の順位と皇族の顔ぶれはどうなっているのか。2026年11月1日時点の内容を、条文と宮内庁の公表資料で確かめます。


皇位継承順位は、施行の後も3方

施行後の皇位継承順位は、次の表のとおりです。順位を持たれるのは、天皇陛下の弟、甥、叔父に当たる3方で、施行の前とまったく同じです。表の右端には、それぞれの方が、継承の順序を定めた皇室典範第2条のどの段階に当たるかを書き添えました。

順位 お名前 天皇陛下との続柄 皇室典範第2条のどこに当たるか
第1位 秋篠宮皇嗣殿下(文仁親王) 弟 第6号「皇兄弟及びその子孫」
第2位 悠仁親王殿下 甥(秋篠宮皇嗣殿下の長男) 第6号「皇兄弟及びその子孫」
第3位 常陸宮正仁親王殿下 叔父(上皇陛下の弟) 第7号「皇伯叔父及びその子孫」

この順位は、二つの条文から決まります。一つ目は、皇位を継ぐ資格を定めた皇室典範の第1条です。資格があるのは「皇統に属する男系の男子」であり、皇族であっても女性の方や、女性の皇族を通じて天皇とつながる方には資格がありません。天皇陛下のお子さまの愛子内親王殿下も、この条文によって継承資格を持たれていません。

皇位は、皇統に属する男系の男子が、これを継承する。 ――皇室典範 第1条

二つ目は、資格のある皇族の間の順序を定めた第2条です。条文は、天皇から見て近い系統から順に、七つの段階を並べています。同じ段階に複数の方がいらっしゃるときは、第2条第3項が「長系を先にし、同等内では、長を先にする」と定めています。

皇位は、左の順序により、皇族に、これを伝える。 一 皇長子 二 皇長孫 三 その他の皇長子の子孫 四 皇次子及びその子孫 五 その他の皇子孫 六 皇兄弟及びその子孫 七 皇伯叔父及びその子孫 ――皇室典範 第2条第1項

天皇陛下には男のお子さまがいらっしゃらないため、第1号から第5号に当たる方はいません。そこで第6号の「皇兄弟及びその子孫」に進み、天皇陛下の弟である秋篠宮皇嗣殿下が第1位、その長男の悠仁親王殿下が第2位になります。その次が第7号の「皇伯叔父及びその子孫」で、天皇陛下の叔父に当たる常陸宮正仁親王殿下が第3位です。常陸宮正仁親王殿下にはお子さまがいらっしゃらないため、継承資格を持つ方はこの3方で全部です。

皇位継承順位の系図(2026年11月1日時点)

第1位の秋篠宮皇嗣殿下は、2019年に天皇陛下が即位された時から「皇嗣」、つまり皇位継承順位第1位の皇族の立場にあります。天皇の弟は皇室典範のいう「皇太子」には当たりませんが、上皇陛下の退位を定めた皇室典範特例法は、この場合の皇嗣を、皇室典範の上では皇太子と同じように扱うと定めています。

第二条の規定による皇位の継承に伴い皇嗣となった皇族に関しては、皇室典範に定める事項については、皇太子の例による。 ――天皇の退位等に関する皇室典範特例法 第5条


上皇陛下は、継承順位に入らない

上皇陛下は昭和天皇の長男で、男系の男子でいらっしゃいますが、継承順位には入っていません。2019年4月30日に退位された上皇陛下の地位は、皇室典範ではなく皇室典範特例法が定めていて、その第3条第4項が、皇室典範の中から「第二条」をわざわざ外しているからです。

上皇に関しては、前二項に規定する事項を除き、皇室典範(第二条、第二十八条第二項及び第三項並びに第三十条第二項を除く。)に定める事項については、皇族の例による。 ――天皇の退位等に関する皇室典範特例法 第3条第4項

上皇陛下は、皇室典範に定める事項について原則として皇族の例によりますが、継承の順序を定めた第2条と、皇室会議の議員に関する規定は除かれています。退位した天皇は継承順位に戻らない、ということが条文の上ではっきり示されているわけです。上皇后陛下は、同じ特例法の第4条により、皇室典範の上では皇太后の例によるとされています。


皇室の16方の一覧

宮内庁の「皇室の構成図」に載っている方は、天皇陛下を含めて16方です。2026年7月10日の衆議院議院運営委員会でも、小林鷹之議員が「皇位継承資格を有する皇族男子はお三方、皇室全体では十六方」と述べています。お誕生日は宮内庁の各ご一家・宮家のご略歴により、年齢は2026年11月1日時点で数えたものです。

ご一家・宮家 お名前 お誕生日 年齢 継承順位
天皇ご一家 天皇陛下 1960年2月23日 66歳 ―
天皇ご一家 皇后陛下 1963年12月9日 62歳 ―
天皇ご一家 愛子内親王殿下 2001年12月1日 24歳 ―
上皇上皇后両陛下 上皇陛下 1933年12月23日 92歳 ―
上皇上皇后両陛下 上皇后陛下 1934年10月20日 92歳 ―
秋篠宮家 秋篠宮皇嗣殿下 1965年11月30日 60歳 第1位
秋篠宮家 秋篠宮皇嗣妃殿下 1966年9月11日 60歳 ―
秋篠宮家 佳子内親王殿下 1994年12月29日 31歳 ―
秋篠宮家 悠仁親王殿下 2006年9月6日 20歳 第2位
常陸宮家 常陸宮正仁親王殿下 1935年11月28日 90歳 第3位
常陸宮家 正仁親王妃華子殿下 1940年7月19日 86歳 ―
三笠宮寬仁親王妃家 寬仁親王妃信子殿下 1955年4月9日 71歳 ―
三笠宮家 彬子女王殿下 1981年12月20日 44歳 ―
三笠宮家 瑶子女王殿下 1983年10月25日 43歳 ―
高円宮家 憲仁親王妃久子殿下 1953年7月10日 73歳 ―
高円宮家 承子女王殿下 1986年3月8日 40歳 ―

16方のうち、男性は天皇陛下、上皇陛下、秋篠宮皇嗣殿下、悠仁親王殿下、常陸宮正仁親王殿下の5方で、そのうち継承順位を持たれるのが3方です。女性は11方で、皇后陛下と上皇后陛下、各宮家の妃殿下4方のほかに、内親王が2方(愛子内親王殿下・佳子内親王殿下)、女王が3方(彬子女王殿下・瑶子女王殿下・承子女王殿下)いらっしゃいます。施行の時に内親王・女王であったこの5方は、改正後の皇室典範で結婚後も皇族の身分を保てるようになり、同時に附則第2条で、結婚と同時にご本人の意思で皇族の身分を離れる道も残されました(詳しくは「愛子内親王殿下・佳子内親王殿下は、結婚したら皇室に残るのか」で扱います)。ただ、第1条は変わっていないため、結婚後も皇族のままでいらっしゃる場合でも、継承資格を持たれることにはなりません。


養子として皇族になる方は、順位に入らない

施行によって新しく使えるようになったのが、旧宮家の男系男子を皇族の養子に迎える仕組みです。改正後の皇室典範は、第6章「養子皇族男子」の第38条で、縁組による養子は「当該縁組の時から、皇族となる」と定めました。その縁組がいつ成立するのかは条文に書かれておらず、宮内庁は10月22日に、儀式を行うことで成立すると解されると説明しています(共同通信の報道による)。そのうえで、養子として皇族になった男子について、継承の順序を定めた第2条を当てはめないと明記しています。

養子皇族男子(前項の規定により皇族となつた皇族男子をいう。以下この条において同じ。)については、第二条の規定は、適用しない。 ――改正後の皇室典範 第38条第4項

つまり、養子縁組が成立して新しい皇族男子が生まれても、上の順位表に名前が加わることはありません。一方で、養子皇族男子の子孫については、第38条第6項が、第2条と第6条を「実方の系統」、つまり生まれた家の系統によって当てはめると定めています。養子になった本人は順位に入りませんが、その方に男のお子さまが生まれれば、その子は順位に入りうる、という組み立てです。なお、縁組には皇室会議の議を経ることが必要で、施行されたことだけで誰かが皇族になるわけではありません(施行で変わったことの全体は「改正皇室典範が施行」)。


摂政になる順序には、「養子皇族男子」の段ができた

継承順位とは別に、皇室典範には、天皇が成年に達しないときなどに置かれる摂政の順序があります(第16条・第17条)。摂政には、成年に達した皇族が、皇太子・皇太孫、親王・王、皇后、皇太后、太皇太后、内親王・女王の順に就きます。天皇の国事行為を臨時に代行する皇族も、国事行為の臨時代行に関する法律第2条により、この摂政となる順位に従います。

今回の改正では、養子皇族男子にこの第17条を当てはめるときの読み替えが、第38条第9項に置かれました。親王・王の段からは養子皇族男子を除き、内親王・女王の後ろに、新しく第7号「養子皇族男子」を加えるという読み替えです。政府は国会での提案理由の説明で、この点を次のように述べています。

養子となったことにより皇族となった男子は、皇位継承資格を有しないこととし、その摂政就任順序を内親王及び女王の次とすることとしております。 ――第221回国会 衆議院議院運営委員会(2026年7月10日)木原稔内閣官房長官

摂政になる順序(改正後の皇室典範第17条・第38条第9項)

養子皇族男子は、皇位継承の順序には入らず、摂政になる順序では、内親王・女王よりも後ろに置かれます。同じ男性の皇族でも、生まれながらの親王・王とは、皇室典範の上での位置づけがはっきり分けられているということです。


別の見方

養子皇族男子の子孫を継承順位に入れることについては、国会の審議で異論や注文が出ました。2026年7月10日の衆議院議院運営委員会で、日本共産党の塩川鉄也議員は反対討論の中で、政府は皇位継承の問題とは切り離した皇族数の確保策だと言いながら「養子の子の男子が皇位継承資格を持つとする規定を盛り込みました」と批判しました。

7月15日の参議院の特別委員会では、公明党の谷合正明議員が、党として「養子皇族男子の子孫の皇位継承資格や継承順位は一体として将来議論すべき課題」としてきたと述べ、この点を改めて議論すべきだと求めました。木原稔内閣官房長官は、取りまとめになかった部分には現行法が適用されると答えたうえで、それは附則第6条にもとづく立法府での将来の検討を「先取りをしたり、これを縛るような趣旨ではない」と述べています。順位表の行き先は、今後の国会での検討にも委ねられているということです。


筆者の考え

施行の前と後で、皇位継承順位の表は一行も変わっていません。今回の改正は、皇族の数を確保するための制度を整えるものであり、誰が皇位を継ぐかという順序には手を付けない、という形で作られています。順位表が3行のままであることは、その性格をそのまま表しています。

筆者は、だからこそ、施行のたびにこの表と一覧を条文で確かめておくことに意味があると考えます。改正の見出しだけを読むと、皇位継承の仕組みまで変わったように受け取られがちです。けれども条文を追うと、変わったのは皇族の身分と摂政の順序の一部であり、継承の資格と順序はそのままです。順位表が次に動くとすれば、新たに皇族男子がお生まれになるとき、あるいは国会が継承の仕組みそのものを改めるときです。その時にも、まずは条文に立ち返って確かめたいと思います。


参考・出典